超加工食品をよく食べる中年の人ほど、脳に「気づかない小さな傷」が多かった―カナダ8,783人のMRI研究

3分でわかる!この記事の要点

結論
超加工食品をよく食べる中年の人ほど、脳の小さな血管の傷が見つかりやすい傾向でした
理由
カナダの8,783人のMRIで、傷が見つかった人の割合は8.1%から11.3%へ高くなっていました
アクション
毎日の食事の1品を、加工の少ない食べ物に置き換えるところから始めてみましょう
目次[閉じる]

体が元気でも、脳では変化が始まっているかもしれない

菓子パン、スナック菓子、カップ麺、甘い清涼飲料、ハムやソーセージ。手軽でおいしい「超加工食品」は、忙しい毎日の強い味方です。

超加工食品とは、工場で作られ、香料や甘味料、乳化剤など、ふだん家の台所にはない材料を使った食品のことです。これまでの研究で、体重や心臓の病気との関係が指摘されてきました。

では、脳にはどうなのでしょうか。カナダ・マックマスター大学などの研究チームは、35〜69歳の8,783人の食事と脳のMRI画像を調べ、2026年10月、医学誌『JAMA Network Open』に結果を発表しました。

「隠れ脳梗塞」と白質の変化とは

今回の研究で調べたのは、自覚症状のない脳の小さな傷です。

ひとつは、本人が気づかないうちにできる小さな脳梗塞で、「隠れ脳梗塞」とも呼ばれます。もうひとつは、脳の神経の通り道(白質)に見られる変化です。どちらも脳の細い血管の傷みと関係があると考えられています。

研究を率いたラッセル・デ・ソウザさんは、こうしたMRIの所見は「早めの警告サイン」と考えられていると話しています。本人はまったく元気に感じていることもあるそうです。

どんな研究?

参加者

カナダの2つの大規模な健康調査に参加した、心臓や血管の病気がない35〜69歳の8,783人です。平均年齢は57.7歳で、女性が4,917人でした。

調べ方

食事
ふだんの食事を質問票で答えてもらい、超加工食品をどれくらい食べているかを計算。食べる量によって参加者を4つのグループに分け、最も多く食べるグループと最も少ないグループを比べました
体と脳
MRIで脳の状態とお腹の内側の脂肪(内臓脂肪)を測り、体脂肪率や、記憶・思考のテストの点数も調べました
分析
年齢や性別、喫煙、運動、収入などの影響はできるだけ取り除いて分析しています

わかったこと

脳の小さな傷が見つかる人が多かった

超加工食品を最も多く食べるグループでは、脳の小さな傷が見つかった人の割合が11.3%でした。最も少ないグループの8.1%に比べて高く、統計的に見ると、傷が見つかる可能性は約1.4倍でした。

グループ 脳の小さな傷が見つかった人の割合
超加工食品が最も少ないグループ 8.1%
超加工食品が最も多いグループ 11.3%

研究チームによると、この関係は女性でより強く見られ、最も多く食べる女性では、最も少ない女性に比べて約2倍だったそうです。

内臓脂肪も多かった

最も多く食べるグループは、最も少ないグループに比べて、体脂肪率が1.7ポイント高く、内臓脂肪も多くなっていました。研究チームは、内臓脂肪が炎症や血管の傷みにつながり、脳の変化の一因になっている可能性も挙げています。

記憶や思考のテストには差がなかった

一方で、記憶や思考のテストの点数には、グループの間で差はありませんでした。つまり、今回見つかったのは、日常生活ではまだ気づかない段階の変化です。テストの点に表れていなくても、画像では変化が見える段階だったことになります。研究チームは、食事と脳の健康の関係は、物忘れなどがあらわれる前の段階でとらえられる可能性があると述べています。

なお、別の研究では、超加工食品を多く食べる人ほど認知機能のテストの点が低い、あるいは数年の追跡で低下が速いという報告もあります。今回の結果は、心臓や血管の病気がない比較的健康な中年の人を対象に、1回のテストで見たものです。「記憶や思考には影響がない」と示したわけではありません。

「置き換わり」が起きていた

超加工食品を最も多く食べるグループでは、食事全体に占める「加工の少ない食べ物」の割合が41.5%で、最も少ないグループの68.6%より低くなっていました。研究チームは、超加工食品がふつうの食事に「上乗せ」されているのではなく、素材に近い食べ物と「置き換わっている」可能性を指摘しています。

研究チームのソニア・アナンドさんは、30代から60代にどんな食事をしているかが、その後の脳の健康に関わっているかもしれないと話しています。

今日から実践できること:Zeverisからの提案

1. まずは1日1品の置き換えから
すべてをやめる必要はありません。たとえば、菓子パンをおにぎりとゆで卵に、スナック菓子を果物や素焼きのナッツに。1日1品の置き換えから始めてみましょう。
2. 飲み物を変えるのがいちばん手軽
甘い清涼飲料を、水やお茶に。毎日飲むものは、小さな変化が積み重なりやすいポイントです。
3. 原材料表示で「台所にない材料」をチェック
香料、甘味料、乳化剤、着色料など、家の台所にない材料がたくさん並んでいる食品は、超加工食品の目安になります。買い物のとき、裏の表示を一度見てみましょう。
4. 「加工が少ない便利食品」を味方に
冷凍野菜、カット野菜、納豆、豆腐、無糖ヨーグルト、ゆで卵、魚の缶詰(水煮)。手軽さを保ったまま、素材に近い食べ物を選べます。
5. 週末に「下ごしらえ」をしておく
野菜を切っておく、ゆで卵や煮物を作っておく。平日の忙しい日に、加工食品に頼りすぎない準備になります。
6. 40代・50代の今こそ、食事を見直すチャンス
研究の参加者は35〜69歳。体が元気なうちに、脳のためにも食事を整えておきましょう。

まとめ

カナダの8,783人を対象にしたマックマスター大学などの研究で、超加工食品をよく食べる中年の人ほど、MRIで脳の小さな血管の傷が見つかりやすく、内臓脂肪も多い傾向がありました。記憶や思考のテストには差がなく、気づかないうちに始まる早い段階の変化と考えられます。

今日の食事のうち1品を、加工の少ない食べ物に置き換えてみませんか。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

関連記事

出典

  • de Souza RJ, Schulze KM, Desai D, et al.; Anand SS. “Ultraprocessed Food Intake and Adiposity, Vascular Brain Injury, and Cognition in Middle-Aged Adults.” JAMA Network Open. 2026;9(10):e2639118(2026年10月15日オンライン公開). DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2026.39118
    論文を読む(JAMA Network Open)
  • Newsweek「Eating More Ultra-Processed Food Linked to Silent Brain Damage」(2026年10月15日)
    記事を読む
  • HealthDay「Ultra-Processed Foods Linked To Hidden Brain Damage And Stroke Risk」(2026年10月16日)
    記事を読む

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry