健康的な食事でも要注意?超加工食品が「注意力」と「情報処理速度」に与える影響

健康的な食事でも要注意?超加工食品が「注意力」と「情報処理速度」に与える影響

3分でわかる!この記事の要点

結論

手軽な超加工食品の摂りすぎは、私たちの注意力や情報処理速度の低下と関連しています。

理由

モナシュ大学の調査で、超加工食品を多くとるほど注意力・情報処理速度のスコアが低いと判明したためです。

アクション

1日の食事のうち、まずは1品だけを加工度の低い自然な食品に置き換えてみましょう。

健康的な食生活に潜む落とし穴

普段から野菜や魚を積極的に食べ、健康に気を使っているのに、なぜか日中ボーッとしてしまったり、仕事の処理スピードが落ちていると感じることはないでしょうか。

その原因は、無意識のうちに口にしている手軽な食品にあると考えられます。

オーストラリアのモナシュ大学などが発表した最新の研究によると、私たちの身の回りにある超加工食品が、脳のパフォーマンス、特に注意力や情報処理の速度と深く関わっていることが報告されました。

研究の内容と、私たちが今日からできる対策を具体的にお伝えします。

超加工食品の摂取と集中力低下の関連性

私たちが普段何気なく食べているスナック菓子、清涼飲料水、温めるだけの調理済み食品などは、「超加工食品」と呼ばれています。これらは安価で手軽な反面、製造過程で多くの成分が調整されています。

 

モナシュ大学の調査結果

モナシュ大学などの研究チームは、認知症のないオーストラリアの中高年2,192人を対象に、食生活と認知機能の関連性を分析する横断調査を実施しました。

※対象者は主に白人女性に偏っているため、日本人にそのまま当てはまるかは別途検証が必要です。

参加者の日々の食事内容を調査し、視覚的注意と処理速度などを測る標準的な認知機能テストを実施した結果、超加工食品の摂取量が多いグループほど、注意力および情報処理速度のスコアが低下していることが統計的に確認されました。

 

具体的な数値は?

この研究において、参加者の1日の摂取カロリーのうち約41%が超加工食品から得られていたことが分かっています。これはオーストラリアの全国平均(約42%)とほぼ同じです。

データによると、超加工食品の割合が全体の10%増加するごとに、集中力の明確で測定可能な低下が見られました。この「10%の増加」とは、毎日の食事にポテトチップス1袋を足す程度の量に相当します。

 

日本の状況はどうか

ここで注意したいのが日本の状況です。日本の成人でも、1日に摂取するカロリーのうち超加工食品が占める割合は3〜4割程度と推計されています(調査や分類方法によって幅があります)。

オーストラリアの約41%と測定方法が異なるため単純比較はできませんが、日本もそれに近い水準にあるのは確かです。今回の研究はあくまでオーストラリアの中高年を対象とした横断調査で、超加工食品が集中力低下の「原因」と証明したわけではありません。それでも、私たちの多くが超加工食品を日常的に多く食べている以上、この「関連」は決して他人事ではないと言えそうです。

 

健康食でも超加工食品は影響する

特に注目すべき点は、健康食の代表格である「地中海食(オリーブオイルや魚、野菜を中心とした食事)」を実践している人であっても、その一方で超加工食品を食べていると、低下傾向が変わらずに見られたことです。

体に良い栄養を摂取していても、超加工食品が多く含まれる食生活では、その影響を相殺できない可能性が示唆されています。

 

記憶力への影響は?

なお、超加工食品の摂取と「記憶力」の低下との間に直接的な関連は見出されませんでした。見られたのは、注意力および情報処理速度のスコア低下に限られます

しかし研究者らは、注意力が学習や問題解決の土台となる基本的な認知機能であることから、この集中力の低下は、より広範な認知機能変化の重要な早期サインになりうると位置づけています。

さらに、超加工食品の摂取が多いほど、肥満や高血圧といった既知の認知症リスク要因の増加とも関連していることが分かりました。

 

【研究の限界に関する注釈】

※本研究は一時点のデータに基づく横断調査であるため、超加工食品が直接的に認知機能の低下を引き起こしたという明確な因果関係を証明するものではなく、あくまで両者に強い関連があることを示しています。

今日から実践できる具体的な対策

明日からすべての加工食品をやめる必要はありません。「減らせるところから、加工度の低い食品に置き換える」ことが大切です。特に午後の集中力を保ちたい人は、まず間食と飲み物から見直すのがおすすめです。

おやつを「素材に近いもの」に

スナック菓子やクッキーの代わりに、素焼きナッツ・季節の果物・無糖ヨーグルト・ゆで卵・するめ・枝豆などへ。コンビニでも買える「ひと手間少ない」選択肢で十分です。

ポイント: 甘いものをやめる必要はなく、素材そのものの味を楽しむ方向へシフトするだけでOKです。

飲み物は「甘くないもの」を基本に

加糖の清涼飲料水やエナジードリンクを、水・無糖のお茶・炭酸水・ブラックコーヒーに。毎日飲んでいる人ほど、置き換えの効果が大きい部分です。

※フルーツジュースも「自然」に見えますが、糖分が多く含まれるため注意が必要です。完熟果物をそのまま食べる方が良いでしょう。

主食・パンは「シンプルなもの」へ

菓子パンや惣菜パンの代わりに、おにぎり・ごはん+納豆・ゆで卵など。加糖シリアルなら、プレーンヨーグルト+果物に替えるのも手です。

「あと一品」を半手作りに寄せる

カップ麺や冷凍のがっつり系で済ませる日も、お湯を注ぐだけの味噌汁+ごはんにする、乾麺をゆでて卵と野菜を足す、など”半手作り”にするだけで加工度は下がります。

原材料表示をチェックする習慣を

裏面の原材料名を見て、(1) 材料が少なくシンプル、(2) 知っている食材の名前が並んでいる——そんな商品を選ぶのが目安です。

逆に、聞き慣れないカタカナの添加物や「○○風」「△△エキス」などが長く並ぶものは、毎日ではなく週に数回にとどめる意識を。

 

【加工食品=すべて悪、ではありません】

豆腐・納豆・プレーンヨーグルト・チーズ・魚の水煮缶などは加工度が低め(または発酵食品)で、無理に避ける必要はありません。ポイントは、「」加工食品の頻度を少しだけ下げることです。

まとめ

 

健康的な食事を意識することは素晴らしいことですが、同時に「何を減らすか」も私たちのパフォーマンスを維持する上で重要です。

 

超加工食品は注意力や情報処理速度の低下と関連していることが研究で示されています。

 

まずは1日1品、加工度の低い自然な食品を選ぶことから、クリアな思考を保つ習慣を始めてみませんか。

「何を食べるか」だけでなく、「何を減らすか」という視点が、これからの食事の新常識になりつつあります。

 

出典・参考文献

ScienceDaily (2026年6月9日): Ultra-processed foods linked to attention and processing speed decline

Monash University: 認知機能と食生活に関する研究

※内容は2026年6月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

Zeveris(ゼヴェリス)では、科学的根拠に基づいたウェルネス情報を日々発信しています。あなたの健康習慣のアップデートに、ぜひ活用してください。

https://zeveris-wellbeing.com/upf-attention-cognitive-speed

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