「運動」と「趣味・人づきあい」、両方ある人は認知機能を保てる期間が約7年長かった―4か国・5万4千人の研究

3分でわかる!この記事の要点

結論
運動と、趣味や人づきあいの両方がある人ほど、認知機能の低下なく過ごせる期間が長い傾向でした
理由
中国・米国・英国・韓国の50歳以上、約5万4千人のデータを合わせて分析した研究の結果です
アクション
散歩をだれかと、運動をサークルで。「体を動かす」と「人と関わる」をセットにしてみましょう
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「運動か、趣味か」ではなく

年齢を重ねても頭をはっきり保ちたい。そのために「運動がいい」とも「趣味や人づきあいが大事」とも聞きます。では、どちらか一方で十分なのでしょうか。それとも、両方あるとさらによいのでしょうか。

上海交通大学医学院などの研究チームは、この問いに4つの国の大規模なデータで答えようとしました。結果は2026年10月、米国アルツハイマー病協会の学術誌『Alzheimer’s & Dementia』に発表されました。

どんな研究?

4つの国の「年の重ね方」を追う研究を合わせた

使ったのは、中年期から高齢期の人を何年にもわたって追いかけている、4つの国の調査です。

  • 中国:CHARLS(中国健康・退職縦断調査)
  • 米国:HRS(健康と退職の調査)
  • 英国:ELSA(イングランド加齢縦断研究)
  • 韓国:KLoSA(韓国加齢縦断研究)

この中から、50歳以上で、最初の時点で認知機能の低下がなかった54,217人を分析しました。平均年齢は約61歳、約54%が女性です。

「運動」と「趣味・人づきあい」で4つのグループに

研究チームは、参加者の暮らし方を2つの面から見ました。

運動
健康や楽しみのために、目的をもって行う運動(スポーツや余暇の運動など)
趣味・人づきあい
頭や人との関わりを使う活動(人との交流、サークルや地域の集まり、趣味、ボランティア、宗教・文化の活動、ゲーム、学び、インターネットなど)

それぞれ「多い」「少ない」に分け、組み合わせて4つのグループにしました。調査のたびにグループを更新し、その後に認知機能の低下が起きるかを追っています。

最初の調査の時点で運動が「多い」に入ったのは参加者の約4割で、ふだんから運動の習慣がある人たちです。何分以上という共通の基準ではなく、それぞれの国の調査の中で比べています。

わかったこと

どちらか一方でも、リスクは低かった

運動も趣味・人づきあいも少ないグループと比べて、認知機能が低下するリスクは次のようになりました。

グループ 認知機能の低下のリスク(少ない・少ないを1とした場合)
運動だけ多い 0.80(約20%低い)
趣味・人づきあいだけ多い 0.79(約21%低い)
両方多い 0.70(約30%低い)

運動だけでも、趣味・人づきあいだけでも、リスクは低い傾向でした。この2つのグループの間に、はっきりした差はありませんでした。

両方ある人は、片方だけの人よりさらに低かった

両方多いグループは、運動だけ多いグループよりリスクが約13%低く、趣味・人づきあいだけ多いグループよりも約11%低くなっていました。研究チームは、運動と趣味・人づきあいは「完全には互いの代わりにならず、組み合わせることでよりよい結果につながる」と考えています。

両方多いグループのリスクが低い傾向は、年齢、性別、学歴、体格、持病の有無にかかわらず、おおむね同じでした。また、何年にもわたって両方を続けていた人ほど、リスクが低い傾向も見られました。

認知機能の低下なく過ごせる期間に、約7年の差

研究チームは、50歳の時点から「認知機能の低下なく過ごせる年数」も見積もりました。

グループ 50歳から認知機能の低下なく過ごせる年数
運動も趣味・人づきあいも少ない 17.5年
趣味・人づきあいだけ多い 20.1年
運動だけ多い 23.2年
両方多い 24.7年

両方多いグループは、どちらも少ないグループより約7.2年長いという見積もりです。年数には寿命の長さも関わっていて、運動が多い人は、50歳からの余命そのものも長いと見積もられていました。

なぜ「両方」がいいのか

研究チームは、目的をもって行う運動は、心肺の力や血管の働き、血圧などによい刺激になり、脳の神経を育てる物質にも関わると説明しています。一方、趣味や人づきあいは頭を使い、人とのやりとりで脳を刺激します。体の面と、頭・心の面。働きかける場所が違うからこそ、組み合わせるとよいのかもしれません。

今日から実践できること:Zeverisからの提案

研究チームは、地域での取り組みについて、目的をもった運動の機会と、グループで行う頭を使う活動や人と関わる活動を、あわせて用意するとよいと述べています。それを毎日の暮らしに置きかえた、Zeverisからの提案です。

1. 散歩を「だれかと」に
いつもの散歩を、家族や友人、近所の人と一緒に。おしゃべりしながら歩けば、運動と人づきあいが一度にできます。
2. 運動は「サークル」や「教室」で
ウォーキングの会、ヨガ教室、ダンス、卓球、地域の体操。仲間がいると続けやすく、人との関わりも自然に増えます。
3. 体を動かす趣味を選ぶ
ガーデニング、写真を撮りながらの散策、山歩き、ボランティアの清掃活動。「好きなこと」が体を動かす時間にもなります。
4. 運動後の「おしゃべり」を楽しむ
ジムやプールのあとに、知り合いとお茶を一杯。運動の時間に、人と話す時間をくっつけてみましょう。
5. どちらかが少ない人は、少ない方を1つ足す
運動はしているけれど一人が多い人は、人と関わる活動を。趣味や友人づきあいはあるけれど体を動かしていない人は、運動を。今の自分に足りない方から始めるのが近道です。
6. 長く続けられる形を
何年も両方を続けていた人ほど、リスクが低い傾向でした。きつすぎず、楽しめる組み合わせを選びましょう。

まとめ

中国・米国・英国・韓国の50歳以上、約5万4千人のデータを合わせた研究で、運動と、趣味・人づきあいの両方がある人ほど、認知機能が低下するリスクが低く、50歳から認知機能の低下なく過ごせる期間も長いと見積もられました。どちらか一方だけでもリスクは低い傾向でしたが、両方そろうとさらに低く、どちらも少ない人との差は約7年でした。

「運動か、趣味か」ではなく「運動も、人とのつながりも」。今週の散歩に、だれかを誘ってみませんか。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

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出典

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