筋トレは肌にも影響する?―16週間の運動で頬の弾力が改善した日本の研究

3分でわかる!この記事の要点

結論
運動習慣のない40〜50代の女性が週2回の運動を16週間続けると、頬の肌の弾力が改善しました
理由
有酸素運動でも筋トレでも弾力は上がり、筋トレでは肌の奥の「真皮」の厚みも増えていました
アクション
まずは週2回を目安に、無理のない運動を続けてみましょう
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肌のハリは、体を動かすことでも変わる?

年齢とともに気になってくる、肌のハリや弾力。対策というと、化粧品やスキンケア、食事に目が向きがちです。

では、運動はどうでしょうか。立命館大学スポーツ健康科学部とポーラ化成工業の研究チームは、運動習慣のない中年の日本人女性に、有酸素運動か筋トレを16週間続けてもらい、頬の肌がどう変わるかを調べました(学術誌『Scientific Reports』、2023年)。

見えてきたのは、どちらの運動でも肌の弾力が改善し、筋トレではさらに、加齢によって薄くなり見た目の若々しさに関連する「真皮の厚み」まで改善していた、という結果です。立命館大学によると、筋トレが肌に与える効果を調べた研究はこれまで世界的にもなく、筋トレが美肌に貢献することを世界で初めて報告した研究です。

研究の内容:2種類の運動で、頬の肌を比べた

誰が、どんな運動をしたか

対象は、運動習慣のない健康な41〜59歳の日本人女性61人。有酸素運動のグループと筋トレのグループに分かれ、2019年2月から5月まで、週2回・16週間(計32回)のトレーニングを行いました。最後まで続けたのは56人(有酸素26人、筋トレ30人)です。

有酸素運動
自転車こぎ(エルゴメーター)を、最大心拍数の65〜70%の強さで30分
筋トレ
脚・腕・背中・肩・胸を鍛える6種類のマシンを、10回×3セット。負荷は軽めから段階的に上げ、後半は最大の75〜80%程度

肌の何を測ったか

測ったのは、左の頬の中央です。

  • 弾力:肌を軽く吸い上げて離し、どれだけ元に戻るか(弾力の回復率)を専用の機器で測定
  • 真皮の上層の構造:超音波で肌の断面を映し、真皮の上の部分の組織の密度(低エコー画素の割合)を評価
  • 真皮の厚み:同じく超音波で測定

真皮は、表皮(いちばん外側の層)の下にある層で、コラーゲンなどの細胞外マトリックスが多く含まれ、肌の構造や弾力を支えています。

わかったこと①:どちらの運動でも、頬の弾力が改善した

有酸素・筋トレのどちらのグループでも、16週間のあとには頬の肌の弾力が改善し、真皮の上層にある組織の密度(超音波で評価した構造)も改善していました。

運動の種類を問わず、体を動かす習慣が肌の弾力と結びついていた、というのがこの研究の第一のポイントです。

わかったこと②:筋トレでは、真皮の厚みも増えていた

筋トレのグループでは、さらに真皮そのものの厚みも増えていました。真皮は加齢によって薄くなり、顔のシミやシワ、たるみといった見た目の若々しさに関連する層です。肌のハリを支えるこの層が、筋トレによって厚くなっていました。

カギは「血液の変化」にあるかもしれない

研究チームは、血液中の1,480を超える物質(炎症に関わる物質、ホルモン、代謝物など)を運動の前後で調べました。筋トレのあとには、炎症に関わる物質の一部が減っていました。

さらに、皮膚の細胞(線維芽細胞)を培養する実験では、筋トレ後の血液の成分を加えると、真皮の土台をつくる成分の一つ「バイグリカン」の遺伝子の働きが高まりました。減っていた炎症物質には、このバイグリカンの働きを抑える作用も見られています。

ここから研究チームは、「筋トレで炎症に関わる物質が減り、真皮の土台づくりが進みやすくなったのではないか」と考えています。筋肉を動かすことが、血液を通じて肌にも届いている。そんな体の中のつながりが見えてきました。しくみの全体像は、今後の研究でさらに確かめられていく段階です。

今日から実践できること:Zeverisからの提案

1. まずは週2回を目安に
研究と同じく、週2回から始めてみましょう。毎日でなくても、続けることのほうが大切です。
2. 大きな筋肉を、全身まんべんなく
研究では脚・腕・背中・肩・胸の6種目を行っていました。家なら、スクワット(脚)、壁や膝つきの腕立て伏せ(胸・腕)、ペットボトルを使ったローイング(背中)などで、全身を少しずつ使えます。
3. 重さ・回数は少しずつ上げる
最初は軽めの負荷から始め、慣れてきたら少しずつ負荷を上げていきましょう。研究でも、軽めから段階的に上げていました。
4. 筋トレが苦手なら、有酸素運動でも
弾力の改善は、自転車こぎのグループでも見られました。早歩きやサイクリングなど、続けやすいものを選んでみてください。
5. 持病や痛みがある人は、始める前に相談を
運動習慣がない人がいきなり重い負荷をかけると、けがにつながります。持病がある人や関節に痛みがある人は、医師や専門家に相談してから始めましょう。

まとめ

立命館大学などの研究では、運動習慣のない40〜50代の日本人女性が週2回・16週間の運動を続けると、有酸素運動でも筋トレでも頬の肌の弾力が改善し、筋トレでは真皮の厚みも増えていました。血液中の炎症に関わる物質が減ったことが、そのカギになっている可能性があります。

研究チームは「運動のメリットがまた1つ明らかになりました」とコメントし、この結果が運動を始めるきっかけになることを期待しています。体を動かす習慣は、体力や体型のためだけではないのかもしれません。肌のハリや弾力にも変化をもたらす可能性があります。まずは週2回、できる種目から始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

出典

  • Nishikori S, Yasuda J, Murata K, Takegaki J, Harada Y, Shirai Y, Fujita S. “Resistance training rejuvenates aging skin by reducing circulating inflammatory factors and enhancing dermal extracellular matrices.” Scientific Reports. 2023;13:10214. DOI: 10.1038/s41598-023-37207-9
    Scientific Reports(論文ページ)
  • PubMed
  • 立命館大学 プレスリリース「筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告」(2023年7月5日)
    立命館大学(プレスリリース)

▼肌の研究を、12の「方法」にまとめました

頬の弾力を変えた筋トレの研究は、有料記事『【2026年最新】人生が変わる美肌法 決定版』の方法11に組み込んでいます。試験に近い組み合わせを家でできる3種目(スクワット・膝つき腕立て伏せ・ペットボトルでのローイング)に置き換え、回数・頻度・負荷の上げ方、4か月で区切る続け方まで書きました。

noteで読む(480円) / 記事の内容を見る

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