旬の「ぶどう」、栄養と健康への働きをチェック――肌や脳との関連を調べた研究トピックも

3分でわかる!この記事の要点

結論

ぶどうにはポリフェノールやカリウム、食物繊維など体にうれしい栄養が豊富に含まれる。

理由

皮ごと食べることでこうした栄養を摂りやすく、抗酸化作用や腸内環境サポートが期待できるため。

アクション

皮ごとそのまま、いろいろな品種を楽しみながら旬の味覚を取り入れてみる。

今が旬の「ぶどう」、実は栄養も注目の果物です

八百屋さんの店先に、巨峰やシャインマスカット、デラウェアなど色とりどりのぶどうが並ぶ季節になりました。甘くてみずみずしいだけでなく、ぶどうはポリフェノールやカリウム、食物繊維などを含む、栄養面でも注目されている果物です。

特にポリフェノールなどの植物由来成分は、皮や種に多く含まれることが知られており、食べ方を少し工夫するだけで、こうした栄養を摂りやすくなります。

日本の公的な統計である文部科学省「日本食品標準成分表」によると、ぶどう(皮なし・生)は可食部100gあたりおよそ58kcal。果物の中では特別低カロリーというわけではありませんが、水分が多く、手軽に食べられるのも魅力です。

今回は、ぶどうに含まれる栄養素と期待できる働きを中心に、あわせて最近報告された肌・脳に関する研究トピックもご紹介します。

ぶどうに含まれる栄養素と期待できる働き

ぶどうにはさまざまな栄養成分が含まれており、一般的に次のような働きが期待できるとされています。あくまで栄養学上一般的に知られている内容であり、特定の病気を治したり予防したりすることを保証するものではありません。

 

ポリフェノール(アントシアニン・レスベラトロール・カテキン・タンニンなど)

ぶどうの皮や種に多く含まれ、抗酸化作用を持つ植物成分として知られています。赤色や紫色の皮に含まれるアントシアニンは、ブルーベリーなどにも含まれる成分として知られています。

 

カリウム

体内の余分なナトリウムの排出を助けるミネラルで、塩分の摂りすぎが気になるときの食生活の工夫の一つとして知られています。

 

食物繊維

皮ごと食べることで摂取量を増やしやすく、腸内環境を整える食習慣の一部として役立つとされています。

 

ビタミンB1・B6

炭水化物やたんぱく質のエネルギー代謝を助けるビタミンとして知られています。

 

ぶどう糖・果糖

ぶどうに含まれる主要な糖質で、体を動かすエネルギー源になります。

 

【ハーバード大学公衆衛生大学院の情報】

米ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)の情報サイトでも、レスベラトロールを含む食品の一つとしてぶどうが挙げられています。一方で、抗酸化物質を単独でサプリメントとして摂取することの健康効果については十分なエビデンスがないと説明されており、果物や野菜など食品全体からさまざまな栄養素や植物成分を摂ることが重要とされています。特定の成分だけを取り出して過信するのではなく、普段の食生活に果物の一つとして取り入れる、という捉え方が実情に近いといえそうです。

「皮ごと」と「皮なし」で、栄養価はこれだけ変わります

文部科学省の食品成分データベースには、ぶどうについて「皮なし」「皮つき」双方のデータに加え、近年は品種別のデータとして「シャインマスカット(皮つき)」も収載されています。100gあたりの数値を比べると、次のとおりです。

品目 エネルギー 食物繊維 カリウム
ぶどう(皮なし・生) 58kcal 0.5g 130mg
ぶどう(皮つき・生) 69kcal 0.9g 220mg
シャインマスカット(皮つき・生) 61kcal 0.9g 210mg

同じぶどうでも、皮なしと皮つきとでは食物繊維がおよそ2倍近く、カリウムも1.5倍以上の差があることが分かります。皮ごと食べやすいシャインマスカットも、皮つきのぶどうと同様に食物繊維・カリウムともに多めです。巨峰やデラウェアなど他の主な品種については、成分表にまだ品種ごとの個別データがなく正確な比較はできませんが、皮を食べるかどうかで摂れる栄養量が変わってくることは、これらの公的データからも裏付けられそうです。

【研究トピック】肌や脳との関連を調べた研究も

ぶどうをめぐっては、一般的な栄養素とは別に、肌や脳への影響を調べた研究も報告されています。良い兆候がみられる一方、まだ確証と呼べる段階ではない、発展途上の研究です。

 

肌との関連を調べた研究(2026年、ACS Nutrition Science)

米ウェスタン・ニューイングランド大学とオレゴン州立大学の研究チームが、2026年5月13日にオンライン公開(同年7月21日号に掲載)した論文では、29人がぶどう3食分に相当するフリーズドライぶどう粉末を14日間摂取する試験を完了しました。

この研究の中心的な結果は、UV照射による酸化ストレスの指標「マロンジアルデヒド」がぶどう摂取後に減少したことと、皮膚の遺伝子の働き方(遺伝子発現)や血漿(血液)中の脂質にも変化がみられたことです。ぶどうが、紫外線などの環境ストレスに対する皮膚の防御反応に、何らかの形で影響する可能性を示す結果といえます。

ただし、受け止める際に押さえておきたい点があります。指標によって解析できた人数が異なることです。マロンジアルデヒドの減少は26人分のデータで確認された一方、皮膚の遺伝子発現を詳しく解析できたのは、組織サンプルが品質基準を満たした4人分(全員女性)にとどまります。

 

脳の働きへの影響(2022年、Nutrition Reviews)

ぶどうの摂取と認知機能・気分との関連を調べた8件のランダム化比較試験をまとめたレビュー論文(参加者計474人、1件あたり10〜215人)です。記憶力の改善は8件中4件で、運動機能の改善は測定した2件とも、実行機能の改善は測定した3件中2件で、それぞれ報告されました。ぶどうの摂取が、記憶力や運動機能など一部の認知機能にプラスに働く可能性を示唆する結果です。

 

【研究の現時点での限界】

いずれの研究も、良い兆候がみられた一方で、「ぶどうを食べれば肌や脳が確実に良くなる」と言い切れる段階ではなく、今後さらなる研究が必要です。

今日から実践できる対策(提案)

ここで紹介する内容は、研究で直接効果が確かめられた治療法ではなく、栄養面での知見を踏まえた提案です。

①

皮ごと、そのまま食べる

食物繊維やポリフェノールは皮に多く含まれています。ジュースにするよりも、果肉や皮ごと味わうほうが、こうした成分を摂りやすいと考えられます。

②

いろいろな品種を楽しむ

巨峰やシャインマスカット、デラウェアなど、日本では季節にあわせてさまざまな品種のぶどうが流通しています。品種によって皮の食べやすさや味わいが異なるので、好みに合わせて楽しんでみましょう。

③

食べ過ぎには注意する

ぶどうは糖質を含む果物です。一度に大量に食べるのではなく、普段の食生活の中で適量を楽しみましょう。持病があり食事制限をしている方(腎機能に不安がある方など)は、かかりつけ医や管理栄養士に相談してから取り入れてください。

④

紫外線対策はこれまで通り続ける

肌に関する研究トピックはあくまで初期的な知見です。日焼け止めや帽子・日陰の利用といった基本の紫外線対策は変えずに続けましょう。

まとめ

 

ぶどうにはポリフェノールやカリウム、食物繊維など、日々の食生活に役立つとされる栄養素が豊富に含まれています。

 

特に食物繊維とカリウムは、皮なしと皮つきとで大きな差があることが公的な成分表からも分かっており、皮ごと食べられるかどうかが栄養の摂りやすさに直結します。

 

肌や脳の働きとの関連を調べた研究も報告されていますが、いずれも参加人数が少ない、あるいは結果にばらつきがあるなど発展途上の段階です。

 

皮ごと食べる、いろいろな品種を楽しむといった形で、旬の味覚を日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

出典・参考文献

文部科学省 食品成分データベース「果実類/ぶどう/皮なし/生」(食品番号07116)

文部科学省 食品成分データベース「果実類/ぶどう/皮つき/生」(食品番号07178)

文部科学省 食品成分データベース「果実類/ぶどう/皮つき/シャインマスカット/生」(食品番号07187)

Harvard T.H. Chan School of Public Health, The Nutrition Source「What Are Antioxidants?」

EurekAlert!「Grape consumption linked to changes in gene expression and improved skin health」(2026年5月)

ACS Nutrition Science「Inter- and Intraindividual Variation of Gene Expression in Human Skin Following Grape Consumption and/or Exposure to Ultraviolet Irradiation」(DOI: 10.1021/acsnutrsci.6c00003)

Nutrition Reviews「The effect of grape interventions on cognitive and mental performance in healthy participants and those with mild cognitive impairment: a systematic review of randomized controlled trials」(2022年、DOI: 10.1093/nutrit/nuab025)

※内容は2026年8月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

▼肌の研究を、12の「方法」にまとめました

ぶどうのような「肌のための食べ物」は、有料記事『【2026年最新】人生が変わる美肌法 決定版』の方法9にまとめています。食材を一つずつ足すより、魚・野菜・オリーブオイルを軸に食卓ごと寄せる——研究の結論に近いそのやり方を、買い物の決まりごとまで落とし込みました。

noteで読む(480円) / 記事の内容を見る

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