
3分でわかる!この記事の要点
結論
顔の皮脂分泌量は季節で変動し、夏にもっとも多くなることが研究で示されている。
理由
同じ被験者を1年間追跡し、季節ごとに皮脂量を測定した研究で、夏に最大となることが確認されたため。
アクション
残暑が落ち着き始めたら、洗浄・角質ケア中心から保湿・バリアケア中心へ切り替える。
夏のテカリ・毛穴悩み、実は「気のせい」じゃなかった
夏の間、顔のテカリや毛穴の目立ち、ニキビに悩まされた方も多いのではないでしょうか。実はこれ、単なる気のせいではなさそうです。
皮膚科学の研究では、顔の皮脂分泌量が季節によって変動し、夏にもっとも多くなることが確認されています(Younら、学術誌『Skin Research and Technology』、2005年)。
この研究は、同じ被験者を対象に、顔の5か所で皮脂分泌量を1年間かけて季節ごとに測定したものです。その結果、おでこや鼻などのTゾーンは頬よりも皮脂量が多く、さらにこの「Tゾーンと頬の差」自体も季節によって変動することが示されました。
なお今回ご紹介するのは2005年に発表された研究で、査読を経て学術誌に掲載されたものです(プレプリントではありません)。
皮脂分泌はなぜ季節で変わるのか
研究チームは、おでこや鼻などの皮脂の多い部位と、それに比べて皮脂の少ない頬に着目しました。同じ人を1年間追跡して季節ごとに皮脂量を測定したところ、おでこや鼻などの部位は頬よりも常に皮脂量が多い傾向にあったものの、その差の大きさは季節によって変わり、夏場に皮脂分泌量そのものがもっとも多くなることが分かりました。
研究の注意点
この研究はあくまで皮脂の「分泌量」を機器で測定したものであり、毛穴の見た目の大きさやニキビの発生数そのものを直接調べたものではありません。皮脂分泌が多い時期に毛穴のテカリや詰まりを感じやすくなるのは自然なことですが、「毛穴が物理的に開閉している」ことまでを示した研究ではない点には注意が必要です。
季節の変化に伴って皮脂分泌量も変化するため、残暑が続く間はまだベタつきを感じやすい一方、夏の暑さが和らぐにつれて、皮脂によるベタつきが落ち着いていく可能性があります。
涼しい季節、肌に起きている変化
皮脂分泌以外にも、気温や湿度が下がる時期には、肌のコンディションに影響する要因がいくつかあります。海外の皮膚科医による解説記事(Schweiger Dermatology Group)では、涼しい季節に肌の状態が変わりやすい理由として、次のような点が挙げられています。こちらはYounらの皮脂分泌研究とは異なる情報源による説明です。
湿度の低下
湿度が下がることで、肌から水分が奪われやすくなる
気温の低下
気温の低下に伴って血管が収縮し、皮脂分泌量が減少する可能性がある
室内暖房
室内の暖房設備が、空気中や肌からさらに水分を奪う
風の影響
風にさらされることで、赤みや乾燥、肌の敏感さの悪化につながることがある
これらの変化の感じ方には個人差がありますが、多くの場合、夏に比べて肌がつっぱったり乾燥したり、敏感になったりする方向に働くとされています。こうした変化を踏まえておくことが、季節ごとのスキンケアの切り替えを効果的に行うヒントになりそうです。
今日から実践できる対策(提案)
ここからは、今回ご紹介した研究で直接検証された対策ではなく、海外の皮膚科医が夏から秋への季節の変わり目に一般的に勧めているケアの一例です(Schweiger Dermatology Group、Jason H. Miller, MD監修の解説記事より)。
洗浄力の強すぎるクレンザーやピーリングのやりすぎを避ける
皮脂が多い時期の癖で洗浄・角質ケアを続けると、季節の変わり目には肌のバリア機能を乱してしまう可能性があります。
肌バリアを整える成分を含む保湿剤に切り替える
セラミド・ヒアルロン酸・ナイアシンアミド・ペプチドなど、肌バリアを整える成分を含む保湿剤に切り替える。こうした成分は、肌の水分保持や乾燥対策に役立つとされる代表的な保湿成分です。
角質ケアは週1〜2回程度の優しいものにとどめる
やりすぎると刺激になりやすいため、頻度を落とすことが提案されています。
ニキビが気になる肌でも保湿を飛ばさない
毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニック」表示の保湿剤を選ぶと、ニキビへの影響を抑えながら保湿できるとされています。
日焼け止めは季節を問わず継続する
紫外線対策は夏だけでなく年間を通して必要とされています。皮脂分泌が落ち着いても、紫外線の量は季節によって変化しますが、秋でも日焼け止めの継続が推奨されています。
保湿美容液を保湿クリームの下に重ねづけする
ヒアルロン酸・パンテノール・ナイアシンアミドなどを含む美容液は、クリームの下に重ねることでより潤いを与えてくれるとされています。
肌のくすみやざらつきが気になる場合は、バリア機能を整えるクリームやナイトマスクを取り入れる
スクワランやペプチドなど、肌の脂質層をサポートする成分を含む製品が候補として挙げられています。
上記は皮膚科医による一般的なスキンケアの提案であり、今回ご紹介した皮脂分泌に関する研究そのものが、これらのケア方法の効果を検証したものではありません。
まとめ
顔の皮脂分泌量は季節によって変動し、夏にもっとも多くなることが皮膚科学の研究で示されています。
気温や湿度の低下、室内暖房、風などの影響で、肌が乾燥や敏感さに傾きやすくなる時期でもあるとされています。
残暑が本格的に和らぐ時期は、夏の「皮脂対策」から秋以降の「保湿・バリアケア」へとケアの軸足を移す一つの目安になりそうです。
無理のない範囲で切り替えを意識してみてはいかがでしょうか。
出典・参考文献
Youn SW, et al. “Regional and seasonal variations in facial sebum secretions: a proposal for the definition of combination skin type.” Skin Research and Technology, 2005.
Schweiger Dermatology Group「Summer to Fall Skincare Routine: What to Change and Why」(Jason H. Miller, MD監修)
※内容は2026年8月時点の公開情報に基づきます
※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。肌トラブルが続く場合は、皮膚科医にご相談ください。
▼肌の研究を、12の「方法」にまとめました
この記事の「夏に増える皮脂」の続きは、有料記事『【2026年最新】人生が変わる美肌法 決定版』の方法6です。夏の「しっかり洗う」を秋まで持ち越さないために、洗顔の回数・お湯の温度・洗い方を「スキンケアの衣替え」として書きました。
