夜10時以降にスマホを長く使った夜、10代の睡眠時間は約20分短かった―遅い時刻の使用ほど関連が強く

3分でわかる!この記事の要点

結論
夜10時以降のスマホがいつもより長い夜、10代の睡眠時間は約20分短く、寝つく時刻も約1時間遅めでした
理由
寝る時刻が遅れても朝の起きる時刻はそれほど遅れず、遅い時刻の使用ほど睡眠との関連も強くなっていました
アクション
夜10時を家族の「スマホのおやすみ時刻」にして、使うなら夜の早い時間に寄せてみましょう
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「スマホを触れば寝るのが遅くなる」のは当たり前?

「もう寝なさい」と声をかけても、布団の中から漏れてくるスマホの光。10代の子どもがいる家庭では、よくある夜の光景かもしれません。

夜遅くまでスマホを触っていれば、寝るのが遅くなる。それ自体は、多くの人が当たり前だと感じるはずです。気になるのはその先です。寝るのが遅くなった分、睡眠時間はどのくらい減っているのか。同じスマホでも、何時に使うかで違いはあるのか。

米国のコロンビア大学、ストーニーブルック大学、シアトル小児病院研究所の研究チームは、スマホの使用時間とFitbit(腕につける活動量計)の睡眠記録を夜ごとに照らし合わせ、この2つの点に手がかりを示しました。研究は2026年10月、小児科の学術誌『JAMA Pediatrics』に発表されました。

どんな研究?

425人の10代、7,591夜分の記録

研究チームが使ったのは、米国の大規模な追跡研究「ABCD研究(思春期の脳と認知の発達研究)」のデータです。2020年11月から2024年2月にかけて集められた記録から、次の条件の425人を分析しました。

研究の方法
  • 平均14.8歳、女子が約半数(50.8%)
  • Androidのスマホを使っていて、専用アプリがスマホの使用時間を自動で記録
  • 同じ時期にFitbitで睡眠を測り、そろったデータが14日以上ある

合計すると7,591夜分。スマホの使用時間も睡眠も、本人の記憶ではなく機器の記録です。

「その子のいつも」と比べた

この研究の特徴は、比べ方にあります。スマホをよく使う子とあまり使わない子を比べるのではなく、同じ子の中で「いつもより夜のスマホが長かった夜」と「ふだんの夜」を比べました。

こうすると、性格や家庭の事情、もともとの睡眠の習慣といった、子どもごとの違いの影響を受けにくくなります。

わかったこと①:睡眠時間は約20分短かった

寝つく時刻は約1時間遅く、睡眠時間は約20分短く

夜10時以降に、その子のいつもよりスマホを長く使った夜は、平均で次のような傾向でした。

項目 いつもより長く使った夜
睡眠時間 約20分短い
寝ついた時刻 約1時間(約65分)遅い

ここでいう「寝つく時刻」は、眠りについた時刻のことです。寝つくまでにかかる時間が1時間延びた、という意味ではありません。

朝の起きる時刻は、寝る時刻ほど遅くならなかった

「1時間遅く寝たのに、短くなったのは20分?」と思うかもしれません。そうした夜は、朝の起きる時刻も遅くなる傾向がありました。

ほかの要因をそろえた別の計算では、夜10時以降の使用がいつもより1分多いごとに、寝つく時刻は約0.9分遅くなる一方、起きる時刻の遅れは約0.4分にとどまり、睡眠時間は約0.4分短くなる関係でした。

起きる時刻の遅れは、寝る時刻の遅れの半分以下。寝るのが遅くなった分を、朝で取り戻しきれていない形です。

わかったこと②:遅い時刻の使用ほど、関連が強かった

研究チームは、「夜8時以降」「夜9時以降」……「深夜0時以降」と区切りの時刻を1時間ずつ遅らせ、それぞれの時刻より後の使用時間と睡眠との関連を調べました。

その結果、区切りの時刻が遅いほど、使用時間1分あたりの関連は一貫して大きくなっていました。同じ1分のスマホでも、夜の遅い時刻の使用ほど、睡眠との結びつきが強かったということです。

「長く使うかどうか」だけでなく、「何時に使うか」も関わっていた。この点は、「触れば遅くなる」というだけでは見えてこない結果です。

もう1つ:寝つく直前の数分

研究チームは、寝つく直前の使い方も調べました。

  • 寝つく直前の5分間にスマホを使っていた夜は、眠っている間に目が覚めていた時間(覚醒時間)が、わずかに長い傾向がありました
  • その差は、寝ついてから最初の30分に集中していました
  • 寝つく前の20分間前までの使用で見ると、この関連はごく小さく、関連が最も大きかったのは寝つく直前の数分の使用でした

研究チームは、夜の使用、とくに夜10時以降と寝る直前を減らすことが、10代の睡眠をよくする助けになる可能性があると述べています。

なぜ「夜10時」?

同じABCD研究の別の論文(JAMA Pediatrics、2026年5月)では、657人の10代が、学校がある日の夜10時から朝6時までに平均で約50分スマホを使っていました。その65%以上はSNSで、半数以上が深夜0時から朝4時の間に少なくとも1回はスマホを使っていたことも報告されています。

この論文の著者らは、10代に勧められる睡眠時間は8〜10時間で、朝6時に起きるなら夜10時ごろに寝る必要があることから、夜10時を区切りにしたと説明しています。夜10時は、10代の睡眠時間を守るひとつの目安になりそうです。

今日から実践できること:Zeverisからの提案

研究から見えてきたのは、「睡眠時間が削られていたこと」と「遅い時刻ほど関連が強かったこと」の2つ。これを家族の工夫に置きかえてみましょう。

1. 夜10時を「スマホのおやすみ時刻」に
夜10時になったら、スマホの使い方を切り替える時間にしましょう。「何時までにする?」と子どもと一緒に決める方が続きやすく、大人も同じ時刻に手放せば家族の習慣になります。
2. 使うなら、夜の早い時間に寄せる
研究では、遅い時刻の使用ほど睡眠との関連が強くなっていました。見たい動画やSNSは夕食後から夜10時までに、と時間帯を前にずらすだけでもひとつの工夫です。
3. 起きる時刻から、寝る時刻を逆算する
10代に勧められる睡眠時間は8〜10時間とされています。翌朝起きる時刻から逆算して寝る時刻を家族で決めておくと、夜の区切りも決めやすくなります。
4. 充電は寝室の外で
スマホの充電場所をリビングなど寝室の外に決めておくと、手放す時間が自然に作れます。目覚まし時計を別に用意するのもおすすめです。
5. 布団に入る前に置く
寝つく直前の数分の使用は、眠っている間に目が覚めていた時間とわずかに関わっていました。「スマホを置いてから布団に入る」を合言葉にしてみましょう。

まとめ

米国の10代425人、7,591夜分の記録を調べた研究で、夜10時以降にいつもよりスマホを長く使った夜は、睡眠時間が約20分短く、寝つく時刻も約1時間遅い傾向が見られました。朝の起きる時刻は寝る時刻ほど遅くならず、区切りの時刻が遅いほど、睡眠との関連は強くなっていました。

「触るかどうか」だけでなく「何時まで触るか」。夜10時という区切りを家族で決めることが、10代の子の睡眠時間を守る小さな一歩になるかもしれません。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

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zeveris

出典

  • Zhao Y, Hale L, Christakis DA. “Evening Phone Use and Sleep Outcomes Among Youth.” JAMA Pediatrics. Published online October 19, 2026. DOI: 10.1001/jamapediatrics.2026.4902
    JAMA Pediatrics(論文ページ)
  • Nagata JM, Kim KE, Leong AW, Christakis DA, Baker FC, Hale L. “Smartphone Use on School Nights in the Adolescent Brain Cognitive Development Study.” JAMA Pediatrics. 2026;180(8):908–911. DOI: 10.1001/jamapediatrics.2026.1707
    JAMA Pediatrics(論文ページ)

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