情報過多の時代に。不安をすぐやわらげる科学的な4つの方法

情報過多の時代に。不安をすぐやわらげる科学的な4つの方法

3分でわかる!この記事の要点

結論

不安をやわらげるには、未来のトラブル予測をやめて「今」に意識を戻し、呼吸や笑いで心身をゆるめることが有効です。

理由

24時間続くニュースやSNSにより、常に最悪の事態を想定し続けると心身が激しく消耗するため。

アクション

焦りを感じたら、まず吐く息を長めにした深呼吸を。日頃からコメディなどで声を出して笑う習慣もおすすめです。

現代人に増える不安とその背景

最近、理由もなく心がざわついたり、不安で押しつぶされそうになったりすることはありませんか。現代社会において、不安を抱える人は確実に増加しています。

アメリカの精神医学誌『Journal of Psychiatric Research』に掲載された大規模な調査(Goodwin et al., 2020)によると、2008年から2018年の約10年間で、18歳から25歳の若年成人において不安を報告する割合が約8%(7.97%)から約15%(14.66%)へと、およそ2倍に増加していることが分かりました。

アメリカの心理情報サイト「Psychology Today」に掲載された記事の中で、心理学者のボニー・コンフォート博士は、その背景にある情報環境の変化を指摘しています。

これはアメリカでの調査ですが、決して対岸の火事ではありません

総務省の調査では、日本でも10代後半から20代前半の9割以上が日常的にSNSを利用しており、24時間ニュースやSNSに接続され続ける情報環境は、私たち日本人もまったく同じです。

むしろ通勤電車やすき間時間に常にスマートフォンを手にする生活は、世界でも有数といえるかもしれません。だからこそ、ここで紹介する対処法は、日本に暮らす私たちにとっても十分に役立つはずです。

脳の仕組みと情報過多がもたらすメカニズム

私たちの脳は、危険から身を守るために「もしこんなトラブルが起きたらどうしよう」と未来を予測するようにプログラムされています。しかし現代では、遠くの国のニュースや他人のトラブルまでがリアルタイムで手元のスマートフォンに飛び込んできます

 

アメリカ心理学会(APA)の報告

アメリカ心理学会(APA)が発表した報告書『Stress in America 2020』によれば、24時間絶え間なく続くニュース報道やSNSの普及によって、人々は社会的な不安や懸念をかき立てる情報の流れから逃れにくくなっていることが明らかになりました。

常に危機的な情報に接続されている状態が、持続的なストレス反応を引き起こす要因として警告されています。これらすべての情報に対して準備をしようとすると、心は休まる暇がありません

 

「波乗り」のように捉える

コンフォート博士は、すべてのトラブルを予測して避けるのではなく、波乗り(サーフィン)のように捉えるべきだと提案しています。

海の波をすべて予測することは不可能です。それよりも、波が来たときにサーフボードの上でバランスを保つように、自分の心の重心をとることに集中するほうが現実的です。

今日から実践できる具体的な対策

不安への対処には、続けることで効いてくる方法と、その場で効く方法があります。運動や自然と触れ合うこと、マインドフルネスなどは、習慣にすることで不安になりにくい心を育ててくれます。ただ、今まさに不安に襲われている瞬間には、もっと即座に効く方法が必要です。ここでは、不安がこみ上げたそのときにすぐ鎮められる方法を紹介します。

未来を予測するのをやめる

不安なとき、私たちは「あれが起きたらどうしよう」「これも準備しておかないと」と、起こりうる悪い事態を次々に想像してしまいます。けれど、決まっている予定に備えるのはともかく、まだ起きてもいないトラブルを全部先回りしようとするのは、エネルギーの無駄遣いです。

しかも、その心配で今この瞬間が台無しになってしまいます。振り返ってみてください。あれほど心配したことが、実際にはたいしたことではなかった、という経験はありませんか。人間はもともと、未来を予測するのがとても苦手なのです。「起きてから考えればいい」と、いったん手放してみましょう。

頭の中の言葉を切り替える

心臓がドキドキして、頭の中が次々と不安でいっぱいになってきたら、まず自分への語りかけ方を変えてみます「これは人生全体で見たとき、本当にそれほど重大なことだろうか?」と問い直してみましょう。

過去につらい出来事があっても、そこから何か良いことが生まれた経験を思い出すのも効果的です。

頼れる人の顔を思い浮かべる、自分の長所を紙に書き出して持ち歩く、といった備えも、いざというときの支えになります。同じ状況でも、自分にかける言葉ひとつで、心の揺れ方は変わります

床に仰向けになって深呼吸する

心がパニックになっているとき、体も緊張してこわばっています。まずは、吐く息を長めにした深い呼吸を意識してみましょう。椅子に座ったままでも、壁に背中を預けても構いません。

家でひとりのときなら、床に仰向けに寝転がって、体が支えられている感覚を味わいながら呼吸すると、さらに効果的です。体を物理的にゆるめることが、高ぶった心を落ち着かせる近道になります。

声を出して笑う

笑いには、その場の緊張をほぐす科学的な裏づけがあります。2023年の『PLOS ONE』の研究では、8件の研究(計315人分)をまとめて分析したところ、笑うことでストレスホルモン「コルチゾール」が約32%減ることが示されました。

※まだ研究数が少なく今後の検証は必要ですが、試す価値は十分にあります。

お気に入りのコメディや動画を見たり、気のおけない友人と笑い合ったり、ペットの愛嬌のある仕草を眺めたり。意識して笑う時間をつくってみましょう

まとめ

 

未来の予測をやめて「今」に意識を戻すことが、不安を鎮める第一歩です。

 

吐く息を長めにした深呼吸や、声を出して笑うことで、科学的に心身をゆるめることができます。

 

日頃から自分にかける言葉に意識を向け、頼れる人の顔や自分の長所を思い浮かべる備えをしておくことも大切です。

情報過多の時代だからこそ、「今この瞬間」に意識を置くというシンプルな習慣が、心の安定を支えます。

 

出典・参考文献

Psychology Today: Quick Fixes for Anxiety

Goodwin RD, et al. “Trends in anxiety among adults in the United States, 2008-2018…” Journal of Psychiatric Research, 2020.

American Psychological Association「Stress in America 2020」

Kramer CK, Leitao CB. “Laughter as medicine: A systematic review and meta-analysis of interventional studies evaluating the impact of spontaneous laughter on cortisol levels.” PLOS ONE, 2023.

※内容は2026年6月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。症状が重い場合は専門家への相談をおすすめします。

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