3分でわかる!この記事の要点
結論
アクションゲームを10時間プレイするだけで、視覚的注意力と空間認知能力が向上する可能性があります。
理由
素早い判断や状況予測の連続が、脳にとって高度なマルチタスクトレーニングとして働くためです。
アクション
1日少しの時間から、空間認知や注意力を鍛えるためにアクション要素のあるゲームを取り入れてみましょう。
ゲームは単なる遊びじゃない?最新研究が明かす脳への効果
「ゲームは脳に悪い」——そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、トロント大学の研究によると、ゲームが私たちの脳、特に「注意力」や「空間認知能力」に良い影響を与えることが科学的に示されています。
これまでゲームは単なる娯楽や暇つぶしとして捉えられがちでしたが、現在では認知機能を向上させるための有効なツールとして、医学や科学の分野から大きな注目を集めています。
注意力と空間認知を鍛える「脳のマルチタスクトレーニング」
ゲームをプレイすることは、単に画面を見つめて指を動かすだけの単純作業ではありません。特にアクションゲームや3Dゲームでは、画面全体の状況を素早く把握し、次に来る展開を予測しながら、瞬時に適切な判断を下す必要があります。
3つの能力を同時に鍛える
この「素早い判断」「視野の把握」「状況予測」を同時にこなす一連の動作が、日常生活ではなかなか経験できない脳のマルチタスクトレーニングとして機能します。
車の運転で周囲の状況に気を配ったり、地図を見て自分がどこにいるのかを把握したりする力は、この空間認知能力や視覚的な注意力が深く関係しています。
トロント大学の研究結果
トロント大学の研究チームは、アクションゲームのプレイが認知機能に与える影響を調査しました。その結果、アクションゲームを合計10時間プレイした被験者は、プレイ前と比較して空間認知能力と視覚的注意力が顕著に向上することが確認されました。
※比較対象としてゆっくり考えるパズルゲームなどの非アクションゲームをプレイしたグループでは、このような空間認知能力の向上は見られませんでした。アクション要素に伴う切迫した状況下での素早い情報処理こそが、脳への強い刺激になっていることがわかります。
女性の能力伸び幅が特に大きかった
この研究で特に注目されたのは、女性の能力の伸び幅が男性よりもはるかに大きかったという点です。
空間を立体的に把握する能力には男女間で差があるとされることがありましたが、10時間のアクションゲームのプレイによって、もともとあった男女間の空間認知能力の差がほぼ解消されました。
【研究に関する注釈】
※本研究の対象者や実験条件には限界があり、すべての人に同様の結果が現れることを保証するものではありません。個人の脳の状態、ゲームの種類、プレイ環境などによって効果には差があります。また、ゲームのプレイ時間は適度にし、長時間の連続プレイは避けることをおすすめします。
今日から実践できる具体的な対策
ゲームによる認知機能向上の恩恵を受けるための、3つの実践ポイントをご紹介します。
1日少しの時間から始める
まずは週末の1時間など、無理のない範囲でゲームをプレイしてみましょう。長時間のプレイは必要ありません。短時間でも集中して継続することが大切です。
研究でも「合計10時間」のプレイで効果が確認されています。1日30分なら、約3週間で達成できます。
アクション要素のあるゲームを選ぶ
ゆっくり考えるパズルよりも、周囲を見渡したり、特定の目標を探して素早く反応したりするアクション要素のある3Dゲームが、空間を把握するトレーニングにつながりやすいとされています。
※非アクションゲーム(パズルゲームなど)では空間認知能力の向上は見られませんでした。アクション要素が重要です。
適切な休憩を挟む
視覚的な疲労を防ぐため、画面から目を離して休憩を取る時間を意識的に作りながら楽しみましょう。20-20-20のルール(20分ごとに20フィート先を20秒見る)なども有効です。
医療の現場でもゲームが活用されている
ゲームの認知機能向上効果は、すでに医療の現場でも実用化されています。2020年にFDA認可を受けた「EndeavorRx」は、ADHD(注意欠如・多動症)の子ども・青少年(8〜17歳)向けに開発された世界初の処方型治療ゲームです。
臨床試験の結果
EndeavorRxの臨床試験では、プレイした患者群において注意力指標が36%以上改善したという結果が報告されています。
これはゲームが単なる娯楽ではなく、認知機能を科学的に改善するための有効なツールになりうることを示す重要な証拠です。
EndeavorRxは医療機器として認可された処方型ゲームであり、自己診断や自己治療の目的での使用は推奨されません。ADHDの症状が気になる場合は、専門医療機関への相談をおすすめします。
まとめ
ゲームは適度に楽しむことで、注意力や空間認知能力を鍛える強力なツールになる可能性があります。
特にアクション要素のあるゲームは、脳のマルチタスクトレーニングとして効果的です。たった10時間のプレイで、空間認知能力と視覚的注意力が顕著に向上することが確認されています。
日々の生活の質を向上させるための新しいアプローチとして、科学的な視点からゲームを活用してみてはいかがでしょうか。無理のない範囲で、まずは週末の1時間から始めてみましょう。
出典・参考文献
PubMed: Action video game modifies visual selective attention
ResearchGate: The effect of action video game playing on sensorimotor learning
EDGE Foundation: EndeavorRx: An FDA-approved video game treatment for ADHD
※内容は2026年6月時点の公開情報に基づきます
※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。
※ゲームのプレイは適度にし、長時間の連続プレイは避けてください。
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