3分でわかる!この記事の要点
結論
緑黄色野菜やベリーを中心とした「MIND食」が、脳の老化を防ぐ可能性を持っています。
理由
ハーバード大などの長年の研究で、実践者の脳の萎縮が約20%抑えられる結果が出たからです。
アクション
今日からオリーブオイルを使い、おやつをナッツに変えるなど、無理なく食習慣を見直しましょう。
ハーバード大学などの研究が示す、食事と脳の密接な関係
私たちの脳は、加齢とともに少しずつ縮んでいきます。しかし、「何を食べるか」によって、そのスピードを遅らせることができるかもしれません。
米ハーバード大学などの研究チームが発表した最新の研究によると、特定の食事法を実践している人は、脳の老化が2.5年分も遅くなる可能性が示されました。この驚きの結果をもたらしたのが、「MIND(マインド)食」もしくは「MINDダイエット」と呼ばれる食事法です。
研究の要点
フラミンガム心臓研究に参加した平均年齢61歳の1,647人を対象に、平均12.3年間という長期間にわたって食生活と脳の状態を追跡調査しました。
その結果、食事内容がMIND食の基準にどれくらい近いかを示す「スコア」が3点上がるごとに、加齢に伴う脳の灰白質(情報を処理する重要な部分)の萎縮が約20%も抑えられることが分かりました。
これは、脳の老化時計を約2.5年分巻き戻す、あるいは遅らせることに相当します。また、脳の中心部にある空洞(脳室)が広がっていく現象も緩やかになっていました。
食事だけで全てが解決するわけではなく、実際に記憶力や思考力の改善に直結するかは今後の研究が待たれます。しかし、毎日の食事が脳の構造そのものに良い影響を与える可能性を示す、非常に興味深いデータです。
MIND食とは?脳を守るための食事法
MIND食とは、心臓の健康に良いとされる「地中海式食事」と、高血圧を防ぐための「DASH食」の良いところを組み合わせ、特に脳の健康と認知症予防を目的に考案された食事法です。米ラッシュ大学の研究者らが2015年に開発しました。
MINDとは?
MIND は Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delayの略語になります。(地中海式食事とDASH食を組み合わせた、神経変性〈認知症など〉の進行を遅らせるための介入食)
米ハーバード大学などの研究チームは、フラミンガム心臓研究に参加した平均年齢61歳の1,647人を対象に、平均12.3年間という長期間にわたって食生活と脳の状態を追跡調査しました。
その結果、食事内容がMIND食の基準にどれくらい近いかを示す「スコア」が3点上がるごとに、加齢に伴う脳の灰白質(情報を処理する重要な部分)の萎縮が約20%も抑えられることが分かりました。
これは、脳の老化時計を約2.5年分巻き戻す、あるいは遅らせることに相当します。また、脳の中心部にある空洞(脳室)が広がっていく現象も緩やかになっていました。
MIND食早見表:食材別の目安量
MIND食のルールはシンプルで、脳に良い食品を増やし、悪影響を与えやすい食品を減らすことです。原論文で示された目安量は以下の通りです。
積極的に摂りたい食品(多いほど良い)
緑黄色野菜
ほうれん草、ケールなど:週6回以上
それ以外の野菜
ブロッコリー、パプリカなど:1日1回以上
ベリー類
ブルーベリー、ストロベリーなど:週2回以上
ナッツ類
アーモンド、くるみなど:週5回以上
全粒穀物
玄米、全粒粉パン、オートミールなど:1日3回以上
豆類
大豆、ひよこ豆、レンズ豆など:週4回以上
魚介類
特にサーモンなど脂の多い魚:週1回以上
鶏肉
皮を除いた部位:週2回以上
オリーブオイル
油を使うなら基本的にこれを選ぶ
控えたい食品(少ないほど良い)
赤身肉
牛肉、豚肉、加工肉含む:週4回未満
バター・マーガリン
1日大さじ1杯未満
チーズ
週1回未満
菓子・スイーツ
週5回未満
揚げ物やファストフード
週1回未満
※この目安量は、ラッシュ大学のMorris博士らによる2015年の原論文(Alzheimer’s & Dementia誌)で定義されたもので、その後の研究では多少の変動があります。厳密な数値を守ることより、全体の傾向を日々の食事に取り入れることが大切です。
MINDスコアの採点方法
MINDスコアは15項目それぞれを「どのくらい食べているか/控えているか」で0点・0.5点・1点に採点し、合計する仕組みです(満点15点)。
採点の基本ルール
脳に良い9つの食品群
緑黄色野菜、その他の野菜、ベリー、ナッツ、豆類、全粒穀物、魚、鶏肉、オリーブオイルは、目安量をしっかり満たしていれば1点、半分程度なら0.5点、ほとんど摂っていなければ0点
控えるべき5つの食品群
赤身肉、バター/マーガリン、チーズ、菓子類、揚げ物/ファストフードは逆で、摂取が少ないほど高得点。目安を下回っていれば1点、多めなら0点
オリーブオイル、ワイン(元の研究では含まれていたが、後続の介入試験では安全面から除外されることが多い)は例外で、0.5点はなく0か1のどちらかです。
具体例
緑黄色野菜
週6回以上 → 1点
週3回程度 → 0.5点
ほぼ摂らない → 0点
赤身肉
週4回未満 → 1点(あまり食べていない人が高得点)
週4回以上 → 0点
オリーブオイル
普段使う油がオリーブオイルなら1点、そうでなければ0点
今日から実践できる具体的な対策
難しく考える必要はありません。普段の食事を少し工夫するだけで、毎日の生活にMIND食を取り入れることができます。
おやつを置き換える
スナック菓子やチョコレートを食べているなら、無塩のミックスナッツ(週5回以上が目安)や、ブルーベリーなどのベリー類(週2回以上が目安)に変えてみましょう。
冷凍のベリーなら保存も利き、ヨーグルトに混ぜるだけで美味しく食べられます。
調理油をオリーブオイルに
炒め物やドレッシングに使う油を、エキストラバージンオリーブオイルに変更します。サラダには、市販のドレッシングの代わりにオリーブオイルと少量の塩、レモン汁をかけるだけで立派な脳活メニューになります。
週に数回は「魚と豆の日」を作る
毎日のようにお肉を食べている方は、週に1〜2回は焼き魚(目安は週1回以上)、豆腐や豆のスープ(目安は週4回以上)に置き換えてみてください。
サバの缶詰とトマトをオリーブオイルで煮込むだけの簡単なトマト煮込みなどは、手軽で栄養満点な一品です。
赤身肉と甘いものは「週の回数」で意識する
赤身肉は週4回未満、菓子類は週5回未満を目安に。「絶対に食べない」のではなく、頻度を少し減らす感覚で十分です。
まとめ
脳の健康は、日々の積み重ねで作られます。
MIND食は、厳しい糖質制限やカロリー計算を強いるものではなく、毎日の食材選びを少しだけ「脳に良いもの」へシフトするだけの続けやすいアプローチです。
今日のおやつから、まずは小さな変化を始めてみませんか。
出典とリンク
Harvard Health Publishing: MIND diet may slow age-related brain changes
Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry(2026年6月号)
Harvard T.H. Chan School of Public Health: Diet Review: MIND Diet(食材別の目安量の出典)
※内容は2026年7月時点の公開情報に基づきます
※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。
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