
3分でわかる!この記事の要点
- 結論
- コーヒーをよく飲む人ほど、体脂肪と内臓脂肪が少なく、筋肉が多い傾向が見られました
- 理由
- 体重やBMIが同じくらいでも、体の「中身」やインスリンに関わる数値には違いがある可能性があります
- アクション
- 体組成計で体脂肪率と筋肉量もチェック。コーヒーは無糖で、午後の早い時間までに楽しみましょう
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体重計の数字だけでは、わからないこと
体重やBMI(体重と身長から計算する肥満度の目安)が同じ2人でも、体の中身まで同じとは限りません。筋肉がしっかりあって脂肪が少ない人もいれば、見た目はスリムでも脂肪が多めの人もいます。とくにお腹の奥、内臓のまわりにつく「内臓脂肪」は、外からはなかなか見えません。
フィンランドのオウル大学の研究チームは、46歳時点での男女2,264人のデータを分析し、コーヒーを飲む習慣と体の中身との関係を調べました(学術誌『European Journal of Nutrition』、2026年7月)。
その結果、コーヒーをよく飲む人ほど、体脂肪と内臓脂肪が少なく、骨格筋(体を動かす筋肉)が多い傾向がありました。しかも、BMIや腹囲は、コーヒーをあまり飲まない人と同じくらいでした。体重計には表れない「中身」の違いに、毎日の一杯が関わっているのかもしれません。
研究の内容:コーヒー大国フィンランドの46歳を調べた
誰を、どう調べたか
フィンランドは、1人あたり年間およそ11.8kgのコーヒーを消費する、世界でもトップクラスのコーヒー大国です。
- 使ったデータ
- 「北フィンランド出生コホート1966」。1966年に北フィンランドで生まれた人たちを、生まれる前から長く見守り続けている大規模な調査です。今回は46歳のとき(2012年)の健診データを分析しました。
- 対象
- 2,264人(約半数が男性)
- コーヒーの量
- 1日に飲む杯数をアンケートで回答。参加者が飲んでいたのは、ほとんどがフィルターで淹れるドリップ式のコーヒーでした。
- 体の中身の測り方
- 体に弱い電気を流して脂肪や筋肉の量を推定する「生体電気インピーダンス法」。家庭用の体組成計と同じしくみです。あわせて、血液中の約160種類の物質や、血糖・インスリンの数値も調べました。
1日に飲むコーヒーの杯数で、次の4つのグループに分けて比べました。
| 1日のコーヒー | 人数 |
|---|---|
| 飲まない | 70人 |
| 1〜2杯 | 296人 |
| 3〜4杯 | 822人 |
| 5杯以上 | 1,076人 |
わかったこと①:BMIは同じでも、脂肪と筋肉のバランスが違った
コーヒーをよく飲むグループほど、次のような傾向がありました。
- 体脂肪率が低く、体脂肪の量も少ない
- 内臓脂肪(お腹の断面で見た内臓脂肪の面積)が少ない
- 骨格筋の量が多い
一方で、BMI、腹囲、ウエストとヒップの比率は、どのグループも同じくらいでした。飲む量が多いグループほど、脂肪と筋肉の差がはっきりする傾向も見られています。
研究チームは、コーヒーをよく飲む人は、BMIが同じでも脂肪が少なめの体つきだったとまとめています。外から測れる数字は同じでも、中身の構成が違っていたわけです。
わかったこと②:血液中の「分岐鎖アミノ酸」が少ない
男女とも、コーヒーをよく飲む人ほど、血液中の分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリンなど)が少ない傾向がありました。
BCAAはサプリメントでもおなじみのアミノ酸ですが、ここで注目しているのは食事でとる量ではなく、血液の中にある量です。血液中のBCAAが高い状態が続くことは、インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)や、2型糖尿病のなりやすさと結びついていることが、これまでの研究で報告されています。論文では、こうした結びつきは食事からの摂取量よりも、体の中の代謝の状態を映していると考えられている、と説明されています。
わかったこと③:男性では、インスリンの数値も良好な傾向
男性の参加者では、コーヒーをよく飲む人ほど、空腹時のインスリンが低く、インスリンの効きやすさを示す数値が高いなど、血糖とインスリンのバランスがより良好な傾向も見られました。
なぜコーヒーが?考えられていること
コーヒーには、カフェインやクロロゲン酸などのポリフェノールをはじめ、1,000種類以上の成分が含まれています。論文では、これまでの研究をもとに、カフェインが体のエネルギー消費を高めたり、脂肪をエネルギーとして使いやすくしたりする可能性が紹介されています。
研究チームは今後、動物実験や人を対象にした試験を通して、コーヒーのどの成分が体の変化に関わっているのかを確かめていく予定です。
今日から実践できること:Zeverisからの提案
- 1. 体組成計で「中身」もチェックする
- 今回の研究で使われたのは、家庭用の体組成計と同じしくみでした。体重だけでなく、体脂肪率や筋肉量(機種によっては内臓脂肪レベルも)を、月に数回チェックしてみましょう。起床後など、毎回同じ時間帯・同じ条件で測ると変化がわかりやすくなります。
- 2. 砂糖やシロップは控えめに
- せっかくの一杯が、甘い飲み物になってしまってはもったいない。ブラックや、無糖のカフェラテで楽しんでみましょう。
- 3. ペーパーフィルターで淹れる
- 参加者のほとんどが飲んでいたのは、フィルターで淹れるコーヒーでした。論文では、フィルターを通さないコーヒーに多い成分が、LDLコレステロールを上げることがあると紹介されています。ペーパードリップなら、その成分を減らせます。
- 4. 飲むのは午後の早い時間まで
- カフェインの働きは数時間続きます。眠りを妨げないよう、夕方以降はノンカフェインの飲み物に切り替えましょう。
- 5. 自分に合った量で
- 論文では、健康な大人の場合、カフェインは1日400mgまでなら目立った悪影響は報告されていないと紹介されています。妊娠中・授乳中の方、カフェインに敏感な方、治療中の病気がある方は量を控えめにし、気になる場合は医師に相談してください。
まとめ
オウル大学の研究では、46歳の2,264人のうち、コーヒーをよく飲む人ほど体脂肪と内臓脂肪が少なく、骨格筋が多い傾向が見られました。BMIや腹囲は同じくらいで、体重計の数字には表れない「中身」の違いです。血液中の分岐鎖アミノ酸が少ない傾向もあり、代謝の面からも体を支えている可能性があります。
体重が変わらないからといって、体の中身まで変わっていないとは限りません。体組成計で自分の「中身」をのぞきながら、無糖の一杯を上手に楽しんでみてはいかがでしょうか。
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。
出典
- Verroest L, Jokelainen J, Choudhary S, Walkowiak J, Karhu T, Palaniswamy S, Auvinen J, Jarvelin MR, Herzig KH, Raza GS. “Associations of habitual coffee intake with testosterone and cardiometabolic markers: the Northern Finland birth cohort 1966 study.” European Journal of Nutrition. 2026;65(5):215. DOI: 10.1007/s00394-026-04038-z
論文を読む(European Journal of Nutrition) - オウル大学 ニュースリリース(2026年8月13日)
Study links coffee consumption to metabolic health and sex hormones - ScienceDaily(2026年8月19日)
Coffee drinkers have less fat, more muscle, and surprising hormone differences
