音楽を聴く習慣で認知症リスクが最大39%低下?1万人超の研究が示した脳への可能性

音楽を聴く習慣で認知症リスクが最大39%低下?1万人超の研究が示した脳への可能性

3分でわかる!この記事の要点

結論

日常的に音楽を聴く高齢者は、認知症の発症リスクが最大39%低いことが大規模調査で報告されています。

理由

音楽は記憶や感情に関わる脳の様々な領域を同時に活動させるため、認知機能の維持に役立つ可能性があります。

アクション

特別な準備は不要です。好きな音楽を毎日聴く習慣や、昔楽しんだ楽器に触れる時間を作りましょう。

音楽が脳の健康維持に役立つ可能性:オーストラリア・モナシュ大学の大規模研究

歳を重ねても、クリアな頭脳で毎日を過ごしたいと思うのは誰もが同じです。

そんな中、「音楽」が私たちの脳の健康を保つために役立つかもしれないという、非常に興味深い研究結果が報告されました。

オーストラリアのモナシュ大学の研究によると、日常的に音楽を楽しんでいる人は、そうでない人に比べて認知症になるリスクが低いことが示されています。

特別な薬や厳しいトレーニングではなく、私たちの生活に身近な「音楽」が、認知機能を維持するカギになるかもしれません。

 

音楽が脳をトレーニングする仕組み

音楽を聴いたり楽器を演奏したりすると、メロディーやリズムを処理するために、記憶、感情、注意力などに関わる様々な部分が同時に活発に働き始めます。これは脳の広い領域を同時に活動させることから、「脳の総合的なトレーニング」のような働きをすると考えられています。

1万人以上の高齢者を対象とした追跡調査が示す、音楽と脳の関係

モナシュ大学のEmma Jaffa氏とJoanne Ryan教授のチームは、国際的な老年精神医学の専門誌「International Journal of Geriatric Psychiatry」にて、音楽と認知症リスクに関する重要な研究を発表しました。

研究チームは、健康な70歳以上の高齢者10,893人を対象に、ASPREE(高齢者におけるアスピリンの疾患予防効果を調べる大規模研究)などのデータを活用し、数年間にわたって追跡調査を行いました。

 

研究の主要な結果

「常に」音楽を聴いていると回答したグループは、音楽を全く聴かない、あるいはほとんど聴かない・時々聴くグループと比較して、認知症の発症リスクが39%低いことが明らかになりました。

さらに、認知症には至らないものの認知機能が低下する状態(認知機能障害:CIND)のリスクについても17%低いことが示されています。

 

音楽を聴くだけでなく、演奏する効果も

楽器を「よく・常に」演奏するグループは、認知症リスクが35%低下し、音楽を聴くことと演奏することの両方を日常的に行っているグループでは、認知症リスクが33%、認知機能障害リスクが22%低下するという結果が得られています。

また、全般的な認知機能や、日常の出来事を記憶する「エピソード記憶」のテストにおいても、より良いスコアを維持していました。

 

研究の限界と注意点

本研究は観察研究であるため、「音楽を聴いたから認知症を確実に防げる」という直接的な因果関係を証明するものではありません。認知機能が低下し始めている人が、複雑な音楽への興味を失いやすくなっているという逆の可能性も考慮する必要があります。

 

しかし研究チームは、音楽活動は加齢に伴う認知機能の低下を抑え、認知機能の維持に役立つアクセスしやすい戦略であると結論づけています。

今日から実践できる具体的な対策

研究結果を踏まえて、認知機能の維持に役立つ今日からできる具体的なアクションをご紹介します。

 

毎日「好きな音楽」を聴く時間を作る

特別な音楽である必要はありません。家事や散歩をしながら、あるいはリラックスタイムに、自分が心地よいと感じる音楽を流してみましょう。

 

青春時代によく聴いていた曲を振り返る

昔聴いていた懐かしい音楽は、当時の記憶や感情を呼び起こし、脳の記憶を司る部分を刺激します。昔のヒットソングのプレイリストなどを探して聴いてみるのもおすすめです。

 

楽器に触れる機会を作ってみる

もし過去にピアノやギターなどを弾いた経験があるなら、再び触ってみるのもよいでしょう。楽器の演奏は、目と耳と手先を同時に使い、脳を幅広く使う活動として適しています。

まとめ

 

音楽を聴くこと、そして演奏することは、私たちの心を豊かにするだけでなく、脳の健康維持に役立つ可能性があります。

 

認知症を完全に予防する魔法の薬はまだありませんが、毎日の生活に音楽を取り入れるという簡単な生活習慣の工夫で、そのリスクを下げる関連性が報告されています。

 

まずは今日、お気に入りの曲を1曲、ゆっくりと聴いてみてはいかがでしょうか。

日々の小さな習慣が、未来の脳を守る——
音楽という身近な力を、ぜひ生活に取り入れてみてください。

 

出典とそのリンク

What Is the Association Between Music-Related Leisure Activities and Dementia Risk? A Cohort Study (International Journal of Geriatric Psychiatry)

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/gps.70163

※内容は2026年6月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません

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