「庭のある家」に住む人は2型糖尿病になりにくい? 42万人調査で見えてきたこと

「庭のある家」に住む人は2型糖尿病になりにくい? 42万人調査で見えてきたこと

3分でわかる!この記事の要点

結論

自宅の周りに庭や公園が多い人ほど、2型糖尿病になるリスクがやや低いという結果に。

理由

42万人超を15年以上追跡した英国の調査で、庭が多いグループは6.8%、公園が3カ所以上あるグループは5.7%リスクが低いと判明。

アクション

庭いじりや近所の公園歩きなど、身近な緑と関わる時間を今日から増やしてみましょう。

庭や公園が近いと、糖尿病になりにくい?

オーストラリア・クイーンズランド大学の研究チームが発表した調査によると、自宅の周りにどれくらい緑地があるかが、2型糖尿病になるリスクと関係している可能性があるそうです。

運動や食生活だけでなく、「住んでいる場所」も生活習慣病の予防に関わっているのかもしれません。

この研究は2026年8月6日に発表され、学術誌『BMC Public Health』に掲載されました。

どんな研究?(42万人を15年以上追跡)

研究チームは、イギリスの大規模な健康データベース「UKバイオバンク」に登録されている42万3282人分のデータを使いました。

参加者の自宅周辺にある私有庭園(家庭の庭)や公園の数を調べ、その後2型糖尿病を発症したかどうかを、中央値で15.41年という長い期間にわたって追跡しています。追跡期間中に2型糖尿病を発症した人は1万9648人でした。

 

主な結果

その結果、自宅から800メートル以内にある私有庭園の割合が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて、2型糖尿病になるリスクが6.8%低いことがわかりました。

また、近くに公園が3カ所以上あるグループも、発症リスクが5.7%低いという結果でした。

※一方で、一番近い公園までの「距離」自体は、リスクとのはっきりした関連は見られませんでした。

 

経済格差との関係

さらに、経済的に恵まれない地域に住む人ほど、庭がもたらすこうした恩恵が大きい傾向も見られたそうです。

 

【科学的エビデンスに関する注釈】

※これは特定の人たちの行動を変えて効果を確かめた実験ではなく、多くの人の生活を長期間観察して統計的な関連を調べた観察研究です。

そのため「庭や公園があれば糖尿病にならない」と言い切れるものではなく、あくまで「関連が見られた」という段階のデータであることには注意が必要です。

研究チームは、緑地が身体活動を増やしたり、食生活を改善したり、大気汚染を減らしたり、ストレスを軽減したり、腸内細菌のバランスを整えたりすることを通じてリスクに関わっている可能性を指摘していますが、これらのメカニズムそのものが今回の研究で直接確かめられたわけではなく、あくまで研究チームによる推測です。

今日からできる、緑と付き合う工夫(提案)

今回の研究は「引っ越して庭付きの家に住みましょう」ということを勧めるものではありません。今の暮らしの中で、緑との関わりを少し増やす工夫として、次のようなことが考えられます。

ベランダや窓辺で小さな鉢植えやプランター菜園を始めてみる

庭がなくても、ベランダや窓辺のスペースから緑を取り入れることは十分できます。育てる楽しみも相まって、自然と緑に触れる時間が増えます。

散歩やウォーキングのコースに、近所の公園や緑の多い道を取り入れてみる

いつもの散歩コースに公園や緑の多い道を加えるだけで、運動と緑との触れ合いを同時に得られます。

週末に地域の公園を訪れる時間をスケジュールに組み込んでみる

あらかじめ予定に入れておくことで、忙しい日常の中でも緑と触れ合う時間を確保しやすくなります。

庭やベランダでの軽い作業を、体を動かす習慣のきっかけにする

水やりや草むしりなどの軽い作業は、無理なく体を動かす立派な活動。楽しみながら続けられます。

 

【注意点】

※これらは研究で直接効果が検証された対策ではなく、紹介した研究結果をふまえた提案です。

また、植物や花に触れたり、緑を眺めたりする時間そのものに、気分をリラックスさせる効果があることはよく知られています。今回の研究が可能性として挙げている「ストレス軽減」という経路とも重なる部分であり、糖尿病予防という文脈を離れても、緑との触れ合いは日々の暮らしに小さな安らぎをもたらしてくれるかもしれません。

まとめ

 

今回の調査は、自宅周辺の庭や公園の多さと、2型糖尿病になるリスクの低さとの間に関連が見られたことを示すものです。

 

特に経済的に厳しい地域では、身近な緑がより大きな役割を果たしている可能性もうかがえます。

 

とはいえ、これは観察研究による結果であり、緑地そのものが直接糖尿病を防ぐと証明されたわけではありません

 

バランスの良い食事や適度な運動といった基本的な生活習慣に加えて、身近な緑との関わりを増やすことも、健康づくりの選択肢のひとつとして意識してみてはいかがでしょうか。

 

出典・参考文献

The University of Queensland(2026年8月6日)「Home gardens reduce risk of type 2 diabetes」

Odebeatu, C.C., Darssan, D., Roscoe, C., Reid, S., Osborne, N.J.(2026)「Private garden exposure and public park access in relation to type-2 diabetes incidence: a UK Biobank cohort study」BMC Public Health, 26, 2284.

※内容は2026年8月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

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