夏バテで食欲がない…それは体からのSOS。胃腸を整える回復法

夏バテで食欲がない…それは体からのSOS。胃腸を整える回復法

3分でわかる!この記事の要点

結論

猛暑での食欲不振は体を守るための自然な生理反応です。

理由

暑さで血流が消化器から皮膚へ回され食欲ホルモンの働きも乱れるため。

アクション

少量を回数分けてたんぱく質とミネラルを含む食事と水分でいたわろう。

「食欲がない」のは気のせいじゃない

暑い日が続くと、なんとなくご飯が喉を通らない――そんな経験はありませんか。

実はこれ、気持ちの問題ではなく、体が暑さと戦っている証拠です。イギリス・ブリストル大学のダン・バウムガート氏(The Conversation)や、アメリカ心臓協会(AHA)が紹介する専門家の解説によると、高温環境では体が「熱を逃がすこと」を最優先し、消化のための働きが後回しにされることがわかっています。

なぜ暑いと食べたくなくなるのか

体温を37度前後に保つため、暑い時は皮膚に血液を集めて熱を逃がそうとします。すると本来消化に使われるはずの血流が後回しになり、胃腸の働きが鈍ります(The Conversation)。

消化そのものが熱を生み出す作業であるため、体は「これ以上熱を作りたくない」と食欲にブレーキをかけている可能性がある、とAHAが紹介する専門家(Dr. Gordon Fisher氏、アラバマ大学バーミンガム校)も指摘しています。

空腹感を刺激するホルモン「グレリン」については、動物実験で暑さがその分泌を抑えることが示唆されています(AHA)。ヒトを対象とした研究でも、暑さへの曝露がグレリンを減らし、満腹に関わる「レプチン」などのホルモンの働きを強める可能性が報告されていますが、結果は一貫しておらず、ホルモンだけが原因とは言い切れない、とThe Conversationは指摘しています。

また、空腹感と喉の渇きは、脳の同じ部位(視床下部)が担っているため混同されやすく、暑い時は体が水分補給を優先させ、結果として空腹を感じにくくなるとも考えられています。加えて、暑さで胃の内容物が排出されるスピードが遅くなり、満腹感が長引くことも報告されています(The Conversation)。

 

【日本の医師監修コラムから】

日本の医師監修コラム(エーザイ)によれば、冷房の効いた室内でトマトやきゅうり、スイカなど体を冷やす食材や冷たい飲み物を摂りすぎると、胃腸をさらに冷やしてしまい、胃もたれや消化不良、お腹の張りといった「胃腸バテ」を招くことがあるとされています。食べられない→体力が落ちる→ますます食欲が落ちるという悪循環に陥りやすいのが、夏バテ・胃腸バテの実態です。

暑さで食欲が落ちるメカニズム

 

1. 暑さ

血流が皮膚へ回される

 

2. 消化器の血流低下

胃腸の働きが鈍る

 

3. 食欲低下

グレリン減少・満腹感長引き

今日から実践できる、胃腸をいたわる工夫

以下は専門家による提案であり、すべてが臨床試験で直接効果が検証された治療法ではありません。

一度にたくさん食べようとしない

AHAが紹介するDr. Allison Childress氏(テキサス工科大学)は、たんぱく質や食物繊維を少量ずつ回数を分けて摂ることを提案しています。冷奴や卵、豚肉など、消化に負担の少ない食品がおすすめです。

おすすめ食品

冷奴、卵、豚肉、魚、ヨーグルトなど消化に優しいたんぱく質源

水を基本に、食事からも水分とミネラルを補給する

水が基本ですが、味が苦手な人はオレンジやきゅうりのスライスを加えるのも一案。低脂肪乳もミネラルを含み、水分補給に役立つとされています(AHA)。アルコールや過剰なカフェインは脱水を招きやすいため控えめに(適量のカフェインは問題ないとされています)。

水分補給のポイント

アルコール・過剰カフェインは控えめ。低脂肪乳やフレーバーウォーターも有効

水分の多い食材を活用

メロン、ベリー類、レタス、セロリ、トマト、きゅうり、スープ、ヨーグルトなど、水分を多く含む食品は食事からの水分補給にも役立つとされています。食品からの水分摂取は、全体の水分摂取量の約2割を占めるとも言われています(AHA)。

メロン

トマト

きゅうり

スープ

ヨーグルト

レタス

セロリ

ベリー類

冷たいものの「摂りすぎ」に注意

冷たい飲み物やアイスは一時的に心地よくても、摂りすぎるとかえって胃腸を冷やしすぎてしまうことがあります(エーザイ)。2杯目からは氷を減らす、冷奴には生姜やねぎ、しそなどの薬味を添えるなど、昔ながらの工夫も胃腸をいたわる助けになるとされています。

ポイント:冷たいものを完全に避ける必要はありません。「摂りすぎない」バランスが大切です。

たんぱく質は「分けて」摂る

The Conversationの解説では、暑い時期でもナッツ類、乳製品、野菜、豆類、アボカド、オリーブ、穀物といった栄養密度の高い食品を、少量ずつ複数回に分けて摂ることが勧められています。

まとめ

 

「食べられない自分」を責める必要はありません。それは体が暑さから身を守ろうとしているサインです。

 

一度に無理して食べようとせず、少量を回数分けてたんぱく質やミネラルを含む食事と水分で、まずは胃腸を休ませてあげましょう。

 

食欲不振が長引く場合や体調不良を伴う場合は、自己判断で済ませず医療機関に相談することをおすすめします。

本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません

 

出典・参考文献

American Heart Association: As summer heat cranks up, our appetites may cool off

エーザイ:胃腸バテのメカニズムと対策

The Conversation: Too hot to be hungry: why our appetite shrinks in the summer heat

※内容は2026年8月時点の公開情報に基づきます

※効果には個人差があります
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。

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