3分でわかる!この記事の要点
結論
週90〜119分の筋トレを続けた人は、あらゆる原因による死亡リスクが約13%低い傾向が確認されました。
理由
ハーバード大学が約15万人(147,374人)を最長30年追跡した大規模調査で、筋力トレーニングの習慣と死亡リスクの関係が明らかになりました。
アクション
週2回、主要な筋肉群を鍛える短時間の筋トレから始めてみましょう。スクワットや腕立て伏せなど、器具なしでできる種目からでも十分です。
ハーバード大学の30年追跡調査で見えてきたこと
「筋トレは体にいい」とはよく言われますが、実際にどれくらい寿命に関わるのでしょうか。米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)の研究チームが、約15万人(147,374人)を最長30年間追跡した大規模な研究で、筋力トレーニングの習慣と死亡リスクの関係を調べました。研究結果は、英国のスポーツ医学専門誌「British Journal of Sports Medicine」に掲載されています。
どんな研究で、何がわかったのか
この研究は、アメリカの医療従事者を対象にした3つの大規模な追跡調査(Health Professionals Follow-up Study、Nurses’ Health Study、Nurses’ Health Study II)のデータをもとにしています。参加者は男性31,540人、女性115,834人。研究期間中に35,798人が亡くなりました。
調査の結果、筋トレを全くしない人と比べて、週90〜119分の筋トレをしていた人は、以下のような関連が、有酸素運動の量を考慮したうえでも見られました。
あらゆる原因による死亡リスクが約13%低い
心血管疾患(心臓病や脳卒中など)による死亡リスクが約19%低い
認知症などの神経疾患による死亡リスクが約27%低い
興味深いことに、筋トレの時間が週120分を超えても、それ以上の追加の効果は確認されませんでした。
なぜ筋トレがこうした結果につながるのか
詳しいしくみは今回の研究では直接調べられていませんが、一般的には筋肉を動かすことで血糖値の管理がしやすくなったり、筋肉から「マイオカイン」と呼ばれる、体の炎症を抑える働きを持つ物質が分泌されたりすることが関係していると考えられています。
加齢とともに筋肉量が減っていくと、こうした働きも弱まりやすくなるため、筋トレによって筋肉量を保つこと自体が、体全体の健康を下支えしている可能性があります。
有酸素運動との組み合わせでさらに大きな効果
さらに、有酸素運動もしっかり行っている人(目安として週30〜45 MET時間程度の有酸素運動)が、週60〜119分の筋トレも組み合わせていた場合、筋トレなし・有酸素運動不足のグループと比べて死亡リスクが最大で約45%低いという結果も出ています。
【研究の限界に関する注釈】
ただしこれは観察研究であり、筋トレをする人は元々健康への意識が高いなど、他の要因が影響している可能性もあります。研究チームも、これはあくまで「関連」であって「因果関係を証明するもの」ではないと注意を促しています。
今日から実践できる具体的な対策
研究で直接効果が確認されたのは「週90〜119分の筋トレ」ですが、これを一気に目指す必要はありません。一般的な運動の指針でも、週2回、主要な筋肉群(脚・背中・胸・お腹など)を鍛える短時間のトレーニングが勧められています。
器具なしで始める
スクワットや腕立て伏せなど、器具なしでできる種目から始める。フォームに自信がない場合は、動画や専門家の指導を参考にすると安全に取り組みやすくなります。
週2回、1回20〜30分を目安に
連続した日ではなく、月・木曜など間隔をあけると筋肉の回復時間を確保しやすくなります。数字や見た目の変化よりも、まずは「続けられるかどうか」を優先しましょう。
有酸素運動と組み合わせる
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と組み合わせる。筋トレの後に軽い有酸素運動を追加する、または別の日に振り分けるなど、生活リズムに合わせて調整してみましょう。
無理のない範囲で少しずつ負荷を増やす
最初は10回×2〜3セットなど少なめに設定し、慣れてきたら回数やセット数、負荷を段階的に上げていくと続けやすくなります。
部位を分けて週2回に振り分ける
例えば「月曜:下半身中心(スクワットなど)」「木曜:上半身中心(腕立て伏せなど)」というように部位を分けると、1回あたりの負担を抑えながら主要な筋肉群を無理なくカバーできます。
筋肉痛や関節に痛みがある場合は無理をせず、休養を優先する。体調に不安がある場合は、始める前にかかりつけ医に相談すると安心です。
まとめ
約15万人を最長30年追跡した大規模研究で、週90〜119分の筋トレを続けている人は、あらゆる原因による死亡リスクが約13%、心血管疾患による死亡リスクが約19%、神経疾患による死亡リスクが約27%低いという関連が確認されました。
筋トレの量は週120分を超えても追加の効果は見られず、有酸素運動と組み合わせるとさらにリスクが下がる傾向も見られています。
ただしこれは因果関係を証明したものではなく、まずは週2回、無理のない範囲で筋肉を動かす習慣から始めてみるのがよさそうです。
※本記事は情報提供を目的としており、医師の助言や治療に代わるものではありません。
出典
Zhang Y, et al. Long-term resistance training with all-cause and cause-specific mortality: assessing dose-response and joint associations with aerobic physical activity. British Journal of Sports Medicine 2026;60:874-883.
※内容は2026年7月時点の公開情報に基づきます
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